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    生野菜なんざぁ


    「野菜は野菜に生まれない。野菜になるのだ。」                  

     Simone de Beauvoir 

    ・・・の、はずわない。失礼。
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    極限られた一部の野菜を除き、野菜を生でそのまま食べるということをしなくなった。実はもう2年越しになる。

    桃のような歯触りとの評価を受ける品種の蕪、リンゴのような甘さという水ナス、やっっっっっわらかいというキャベツ、切った途端に飛沫があがるというフレッシュな玉ねぎ、その他もろもろ、自分で育てていながら、生野菜や、サラダ的な野菜の食べ方から私生活の上では遠ざかっている。

    いや、売る責任の都合上、もちろん味見はする。でもそれはお酒の試飲のように、口に含んでみて、おおよその確かめをするという程度なもので、食卓に登ることはない。いづれのものも、焼く・煮る・蒸す・漬ける・潰す等の調理をして食べている。

    野菜を直売する農家や、昨今急増しているネット通販をする野菜農家にあって、サラダ野菜の扱いは結構重要度の高い位に置かれているように思う。また、種苗会社もそれらの市場外流通が増えるに伴い、生食向け品種の開発には随分重点を置いていると思う。いまではもう、「主要野菜」に位置つけられた野菜のうちで、生で食べられない品目はないと言ってもいい。

    サラダゴボウや、サラダナス、サラダカボチャ、生食向けのカリフラワーやトウモロコシ、オクラにゴーヤ、・・・etc。それに留まらず、さらには、マイナー品目においてもかなりの生食可能品種が登場している。空芯菜や、元来であれば漬けることが一般的であった俗に言う「漬菜」類、空豆においても生食可能品種が登場し、直売農家の耳目を集めた。

    季聞屋においてもサラダ的な野菜は良く作るし、良く売れる。売れるというのは、売れないことよりも不幸じゃないから、きっと幸せなことなんだろう。でも、どこかでザらりとしたものが残るようになった。

    それは、多分、トマトがよく売れることに抱く微妙なザラツキ感と共通のものだろうと思う。これは過去のエントリでちらっと漏らしたので省こうか。

    また、もう一つのささくれがある。

    生野菜には陳腐極まりない自然崇拝が見え隠れするのだ。「自然の恵みなのだから、極力手を加えずに」だとか、「野菜本来の味を楽しみたいから生で」だとか、聞いているとぞっとしてしまう。野菜は自然とは対極に位置した文化に帰属するものだ。自然のものは私達の口には沿わない。(過去記事参照kibunya2008.blog104.fc2.com/blog-entry-6.html

    のだけれど、勝手に自然のものと思い込んでいる人たちに対して「そうでしょう、そうでしょう、大地の云々~」と、偏見をうまいこと手玉にとって説こうとする農家、青果商、ベジタブルなんちゃらがすんごく多い。そのあたりが猛烈に胸クソ悪い。えへ。

    って、生野菜に全く罪はないし、嫌いではないんだけど、余計な雑念が入り込んで生野菜が食べられないでいる。なにも頭で食べるわけじゃないのにね。

    でもいいじゃないの。生じゃなくたって。大抵の野菜は手をかけてあげた方が美味しいよ。

    蕪を汁ものにした時のさらりととける柔らかさ、ふっくらと香る良い香り。水ナスだって、漬けたときの塩気と糠の香りがあってこそ、あの甘みが生きるのだ。生で食べたら柔らかくて甘っっいという玉ねぎは、ぐったぐたになるまで火を通したら「目が飛び出すほど」(お客談)甘くなる。白玉ねぎ品種であれば、それは生で食べた方がいいかもしれないけれど、季聞屋の玉ねぎは黄玉ねぎである。火を通してこそのものだ。

    お米だって磨ぐ、最高峰という大吟醸だって米を半分以上削るじゃないか。ダイヤだって磨かにゃ光らん。 なんでも生ってのはねぇ。ワタクシ、お腹弱い方ですし。


    野菜は野菜に生まれない。磨いてこその野菜と思う。



    とはいえ、きっと私がこんなことを思うのも、低タンパクな生活を強いられているからだろう。脂の乗った肉や魚をもりもり食べていれば口の中のバランスを保とうと自然と生野菜が食べたくなるものなのかもしれない。つまるところ、私の貧相な食卓から出た悩みなのやもしれぬ。

    あ、このエントリは単なる貧乏ばなし。

    あまり本気にされませぬよう(笑

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