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    期待のエース


    変に期待を負わされている 『 ツルナ 』 の図。

    ツルナ
     


    内輪話になるのだが、私の父は極度の偏食家である。 偏食家と言っても様々だと思うが、彼の場合は極慎ましい偏食家であることを先に述べておく。

    彼の偏食ぶりについて、その全容を網羅するように話そうとすると随分時間がかかるので、ここでは偏食(野菜)編についてのみ述べようと思う。あ、いや、この話はいづれお客様に関わることになるかもしれないので・・・。

    今でこそ切り花農家の季聞屋だが、この花の時期を渡ると野菜農家へと転身する。夏の野菜は一通りこなす。夏の野菜は成りものの季節。たわわに実る・・・かは今後次第で分からないが、取りあえず自分達の食いぶち程度は野菜に困ることはない。・・・彼を除いては。

    そう、夏は父の食べられる野菜がないのだ。

    夏の主要どころであるトマト・ナス・キュウリは全てダメ。

    父は幼少のころ、これらの野菜を本当にウンザリするほど食べたので、『 もう生涯食べなくていい 』 のだと言う。戦時中にサツマイモばかり食べていた人が、どんなに旨いサツマイモだったとしても食べようと思わないのと同じ事なのだろう。だから、こちらも無理に食べさせようとは思わない。幼少期の極貧が推し計られる。 なお、サブ的夏野菜のオクラ・トウモロコシ・ピーマン・モロヘイヤなどもだめ。また、年間通じてサラダ野菜は全般に不可である。

    そんな彼はひと夏を、素麺とお茶漬けと梅干で過ごす。ほぼ、毎食である。 たまにカボチャとインゲンのみ、ほんの少し手を付ける。バターやクリーム、オリーブ油での調理は不可で、醤油と砂糖と出汁で煮たもののみ。なんというか、料理の仕様がない。 冬の野菜は食べられるものが幾らかあるんだけど・・・・。

    よく生きてるなぁ、と変に感心してしまう。そこいらにいる適当な坊主さんよりも、よっぽど慎ましいと思う。それでいて良く動くのだから、昭和初期生まれはたいそう燃費良く仕立てた世代である。

    心配する家族をよそに、父は 『 俺はこれでいいの 』 と言うのだが、不憫に思って、私が野菜作りに加わってからというもの、夏に彼の食べられる、夏が盛りの野菜を探している。手始めは空芯菜で挑んだのだが、 「 あんまりうまいもんじゃねぇな 」 という失礼極まる言葉をひっそりとのたまい、一口食べて箸を置いた・・・。

    父にと思って育てたのだが、行き場をなくした空芯菜はやむなく店頭へ置かれることとなり、皆様に供され、美味しいねぇと、もてはやされることとなった。ちょっとはお客さんを見習って欲しい。一昨年はツルムラサキに矛先を変えたが、「 なんで変にヌルヌルしてんだろう 」 と、ツルムラサキの存在を否定しかねない負の疑問を投げかけただけだった。そしてツルムラサキはやっぱり店頭に・・・。

    そして今季、父に野菜を食わせよう計画は上記写真の「ツルナ」で挑む。 またもや惨敗となるようなら店頭デビューを果たすだろう。小僧は複雑な笑み顔を浮かべていると思う。

    さて、ざっくりとだが、ツルナと言う野菜について、手近の資料(農業技術体系)を元に述べておく。

    日本におけるツルナの初めての記録は貝原益軒の『大和本草』(1709年)によるものとのこと。北海道北部を除き、日本各地の海岸部などに野生していたそう。野菜のなかでは珍しいザクロソウ科。日本では雑草扱いされるけど、スベリヒユ(ヨーロッパだと園芸作物)と同じ科である。

    病や害虫に強く、摘み取ってもまた芽を吹く生育旺盛な性質である。初めての記載は1709年とあるが、こーゆー逞しい植物は実際の所は、おそらくもっと古くより存在していたはずである。格段手を煩わすことのない、手近な庶民の野菜であったのだろう。

    なお、ツルナにはニュージーランドホウレンソウという別名(でもホウレンソウとは植物学的に無関係)がある。イギリスの探検家のキャプテン・クックがニュージーランドを探検した際に初めてヨーロッパへ持ち込んだことによる欧州名である。持ち帰った年は1772年とあるのでヨーロッパに広まる前に日本にはあったようだ。ツルナの分布は中国・アジア南部・オセアニアと幅広い。

    さて、肝心のお味についてなのだが、残念ながら文面が乏しい。『 淡白で癖がなく、独特の風味があり、お浸しやあえ物、汁の実に用いる 』 とだけである。

    独特の風味とはどんなものだろう。 うーん。



    ズッキーニ類収穫始まる。

    クルジェ 3種 0514 ズッキーニ収穫始め  トロンボーン

    とろんぼーんは独特の風味だわ。その独特の風味は食べてのお楽しみ。あ、いや、おいしいんですよ。

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