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    君に花を


    お手紙を貰った、の図。


    手紙


    季聞屋にお越し頂く最年少のお客様は8歳のレディーである。
     
    私が初めて会ったのはたぶん4年くらい前のこと。まだ私が直売を始める前の、母が一人で行っていた直売の時であった。

    うだるような夏の日(当時直売は午後からでした)、ちっちゃい手をお母さんと繋いで野菜を買いに来てくれていた。母から電話を受け、売り切れた野菜の追加に来た際に彼女を見かけ、「あんな小さい子も来てくれてるんだなぁ」と思い、何気なくヒマワリの花を切ってあげると、とても喜んだ。 花が好きな様子。幸せなヒマワリである。彼女の手にしたヒマワリが、いつもより大きく映って見えた。
     
    初夏色

    ヒマワリ:時計回りに (フレッシュオレンジ、ピーチパッション、モネ、サンリッチ)



    時間帯が変わり、私が野菜の直売を行うようになってからも彼女は来てくれている。実はお家が当園の直売所と50mと離れていないことが判明。最短距離第2位のお客様である。(第一位は歩いて20秒の方) 坂道を駆け足で トットットット と、走って来る姿を見ると、『トトロ』のメイちゃんがトウモロコシを抱きかかえて走るシーンを何となく思い出してしまう。非常にかわいらしい。

    おととしのこと、いつもはお父さんかお母さんに手を引かれてやってきていたのだが、初めて一人で直売所へお見えになられた。メモ書きをもって。「 初めてのお使い 」 である。

    ところが、渡されたメモ書きを見ると、残念なことに、記された野菜が売り切れで、お使いのものが何もない。せっかく一人で来てくれたのに、このまま帰しちゃ申し訳ないと思い、これはお代はいらないからねと言って、売り物でない、はね出しの野菜を少しずつ色々もたせてあげた。

    すると、彼女が帰って数分と経たないうちにお母さんが息を切らせて駆けてきた。

    「あ、あの子、お金払ってないって・・・・!」 と、息も荒く、慌てて口を切った。

    伝わってなかったのだろう。あれは規格外の品だからお代は要らなかったのだと申し上げると、ほっとした様子で肩を落ち着かせた。お母さんも少し心配しながら一人で送り出したのだろうと思う。

    お母さんが家を飛び出してくる前、あの時あの子は叱られただろうか。可哀想な事をしたと思った。小さな冒険に泥を塗ってしまった気がした。まだおさない子、念を押さなかった私が悪いのだ。


    だが、去年からはばっちり一人でお買い物が出来るようになった。

    「 チーズフォンデュに使うジャガイモを下さい。 」

    うん、ジャガイモは種類が沢山あるからね。そうだな、チーズフォンデュにはシンシアがいいよ。
     
    彼女はジャガイモと言っても、色々な種類があること心得ている。こんな8歳はざらにいないぜ。

    最近は花も一人でお求めになる。良い花選びをする。 配色がうまい。

    君に花を 2011 


    学校帰り、花畑で会うと呼びとめて花を切ってあげる。「ありがとうございます」と、笑顔で丁寧な礼を述べる。花の似合うレディである。



    もう少しすると、「 あんなオッサンが作った野菜なんて、私食べてくないわ 」 というサヨナラの日が来てしまうかもしれない。喜んで食べてくれている今のうちに、もりもり食べて貰おう。喜んでもらってくれる今の内に、花もいっぱい貢いでおこう。 幸せは長く続かないから幸せなのだ。

    大丸 2011 0526 ミディトマト 0524


    賀茂ナスタイプの大丸はあと2週後くらいからスタート、トマトは実はもうすでに収穫始め。いつから直売しようかしら。でもまだ片づけたい仕事が山程あるからもうちょい先かしらね。母が配達にお邪魔しているお客様方、ご厄介になりまする。m(_  _)m
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    期待のエース


    変に期待を負わされている 『 ツルナ 』 の図。

    ツルナ
     


    内輪話になるのだが、私の父は極度の偏食家である。 偏食家と言っても様々だと思うが、彼の場合は極慎ましい偏食家であることを先に述べておく。

    彼の偏食ぶりについて、その全容を網羅するように話そうとすると随分時間がかかるので、ここでは偏食(野菜)編についてのみ述べようと思う。あ、いや、この話はいづれお客様に関わることになるかもしれないので・・・。

    今でこそ切り花農家の季聞屋だが、この花の時期を渡ると野菜農家へと転身する。夏の野菜は一通りこなす。夏の野菜は成りものの季節。たわわに実る・・・かは今後次第で分からないが、取りあえず自分達の食いぶち程度は野菜に困ることはない。・・・彼を除いては。

    そう、夏は父の食べられる野菜がないのだ。

    夏の主要どころであるトマト・ナス・キュウリは全てダメ。

    父は幼少のころ、これらの野菜を本当にウンザリするほど食べたので、『 もう生涯食べなくていい 』 のだと言う。戦時中にサツマイモばかり食べていた人が、どんなに旨いサツマイモだったとしても食べようと思わないのと同じ事なのだろう。だから、こちらも無理に食べさせようとは思わない。幼少期の極貧が推し計られる。 なお、サブ的夏野菜のオクラ・トウモロコシ・ピーマン・モロヘイヤなどもだめ。また、年間通じてサラダ野菜は全般に不可である。

    そんな彼はひと夏を、素麺とお茶漬けと梅干で過ごす。ほぼ、毎食である。 たまにカボチャとインゲンのみ、ほんの少し手を付ける。バターやクリーム、オリーブ油での調理は不可で、醤油と砂糖と出汁で煮たもののみ。なんというか、料理の仕様がない。 冬の野菜は食べられるものが幾らかあるんだけど・・・・。

    よく生きてるなぁ、と変に感心してしまう。そこいらにいる適当な坊主さんよりも、よっぽど慎ましいと思う。それでいて良く動くのだから、昭和初期生まれはたいそう燃費良く仕立てた世代である。

    心配する家族をよそに、父は 『 俺はこれでいいの 』 と言うのだが、不憫に思って、私が野菜作りに加わってからというもの、夏に彼の食べられる、夏が盛りの野菜を探している。手始めは空芯菜で挑んだのだが、 「 あんまりうまいもんじゃねぇな 」 という失礼極まる言葉をひっそりとのたまい、一口食べて箸を置いた・・・。

    父にと思って育てたのだが、行き場をなくした空芯菜はやむなく店頭へ置かれることとなり、皆様に供され、美味しいねぇと、もてはやされることとなった。ちょっとはお客さんを見習って欲しい。一昨年はツルムラサキに矛先を変えたが、「 なんで変にヌルヌルしてんだろう 」 と、ツルムラサキの存在を否定しかねない負の疑問を投げかけただけだった。そしてツルムラサキはやっぱり店頭に・・・。

    そして今季、父に野菜を食わせよう計画は上記写真の「ツルナ」で挑む。 またもや惨敗となるようなら店頭デビューを果たすだろう。小僧は複雑な笑み顔を浮かべていると思う。

    さて、ざっくりとだが、ツルナと言う野菜について、手近の資料(農業技術体系)を元に述べておく。

    日本におけるツルナの初めての記録は貝原益軒の『大和本草』(1709年)によるものとのこと。北海道北部を除き、日本各地の海岸部などに野生していたそう。野菜のなかでは珍しいザクロソウ科。日本では雑草扱いされるけど、スベリヒユ(ヨーロッパだと園芸作物)と同じ科である。

    病や害虫に強く、摘み取ってもまた芽を吹く生育旺盛な性質である。初めての記載は1709年とあるが、こーゆー逞しい植物は実際の所は、おそらくもっと古くより存在していたはずである。格段手を煩わすことのない、手近な庶民の野菜であったのだろう。

    なお、ツルナにはニュージーランドホウレンソウという別名(でもホウレンソウとは植物学的に無関係)がある。イギリスの探検家のキャプテン・クックがニュージーランドを探検した際に初めてヨーロッパへ持ち込んだことによる欧州名である。持ち帰った年は1772年とあるのでヨーロッパに広まる前に日本にはあったようだ。ツルナの分布は中国・アジア南部・オセアニアと幅広い。

    さて、肝心のお味についてなのだが、残念ながら文面が乏しい。『 淡白で癖がなく、独特の風味があり、お浸しやあえ物、汁の実に用いる 』 とだけである。

    独特の風味とはどんなものだろう。 うーん。



    ズッキーニ類収穫始まる。

    クルジェ 3種 0514 ズッキーニ収穫始め  トロンボーン

    とろんぼーんは独特の風味だわ。その独特の風味は食べてのお楽しみ。あ、いや、おいしいんですよ。

    花想う心


    『季聞屋』 という直売所の屋号を2008年より設けている。

    と言っても、この屋号はあってないようなもので、当園の直売所にお越しになられるお客様の中でも極一部の方にしか知られていないだろう。だから、お客様によっては、「たまにやってる花屋」だったり、「バス停近くの野菜屋」だったり、「にーちゃんの直売所」だったりとイロイロである。また、こちらも領収書を切るときは野菜の販売時であれど飯島シャクヤク園だったりする。

    もう、分かれば何でもよろしい。

    花と野菜の両面をご存知のお客様は、「花屋で、野菜屋で、よくよく休業して!まぁ!気分屋でもあるのね。」と、笑われる。

    作っている当人たちは至って真面目に取り組るんだけどね・・・、と苦し紛れの照れ笑いをして返す。

    花の終わり


    母がしていた直売を、私が代替わりするようになった時に、やっつけ仕事でHPらしきものをこさえたのだが、その呼称として先のお客様との対話をもとに季聞屋(キブンヤ)という屋号を設けた。 季節に問うて季聞屋である。

    ただ、両親はこの屋号に不服のようで、父などは、『 なぁ、もうちょっと他にねぇのかよぅ 』 と、言う。私はうちらしい、イイ屋号じゃないかと思っているのだけれど。

    上司二人が渋顔をするので店頭に「季聞屋」という屋号を掲げる訳にはいかない。そんな訳で季聞屋はこのブログと、ほとんど更新されないHPだけの屋号である。


    ところでだが、そのHPの屋号の前には 『 四季に問う 』 という副題のようなものがある。単に「キブンヤ」だけでは馬鹿丸出しに違いないと、緩和策として前置きに設けたのだが、この仕事に携わる日々が重なるにつれて、その思いにも変化が起きた。


    農業というと「自然相手の仕事」と良く言われるが、それは少し違うと思う。私は育てる作物の行き着く先、お求めになる人を見ている。だから、こう加筆したい。

    四季に拠りて、人に問う、と。 


     大蓮華 2011 0513 濃艶 2011 2011ミスアメリカ  エンジェルチーク 2011 (2) 鎌倉紅 2011 mon cheri ブライダルアイス 2011  夕映え 2011 (2) マーガレット2011


    お求めいただいた芍薬はいかがでしたか。

    この花と過ごされた時間はどんなでしたでしょう。

    あなたの花を想う心に少し触れたいと思うのです 。



    今季も御贔屓に賜わりありがとうございました。短な逢瀬で名残り惜しくはございますが、それがこの花の去り際の美しさとも思います。でもまた来年華やぎを与えてくれるよう精一杯努力します。


    上段左より 大蓮華、濃艶、ミスアメリカ

    中段左より ファーストレディ、鎌倉紅、エンジェルチークス

    下段左より ブライダルアイシング、夕映え、プリンセスマーガレット

    万華鏡を覗くよう


    『中国の舞踏のような咲き方だわ』

    『この芍薬は初桜っていうの?本当に桜のような柔らかい色ね。牡丹ザクラのよう』

    『蕾姿はバラのようね』

    『椿みたいな深い色合いね』

    『まぁ!純白の中にひと筆の朱が入ってる。白無垢に紅を引いて・・・。新婦さんのようね』

    『芍薬の中に水連が咲いているみたいだわ』

    ・・・etc.


    2011ポーラフェイ 
    谷の雪 2011 ビロードクイーン 2011 初桜 0508 

    ブログを書いている本人は花切り作業に追われ、一段落すると野菜畑の方に顔を出し・・・と、店頭の販売で皆様の対応をさせていただく機会があまりないのですが、ひょっこり顔を出した際に耳に挟む、皆様の表現にはつい聞き入ってしまいます。

    ほんと、芍薬って変幻自在。芸達者であることよ。




    酔うて暮らすが嬉しいと




    フェスティバ・マキシマ

    花の都のパリの都を

    よし王様がくださろと

    あの子に掛けたこの恋を、想い切らねばならぬなら、

    粋なあの王様に申しましょう

    花の都も要りませぬ

    それよりあの子の色香に酔うて

    酔うて暮らすが嬉しいと

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    モリエール『人間嫌い』にそんな詩があったような・・・。

    花の都とは申しませんが、一食、いや二食抜いていいからこの花を見ていたい。なんなら自腹切って全て買い占めたい・・・。
    自分でそんな衝動に駆られてしまう白の芍薬が今日から2~3日の間、お目通り致します。『フェスティバ マキシマ』、大昔からの品種ですが、この白の輝きは曇りません。その血は古く、今もなお、新しい。ダイヤみたいだ。人を魅了してやまない不朽のエレガンス。

    酔うて数日暮らしましょうか。


    花冷え



    この子、今日から2~3日の間、ちょいちょい顔を出します。「千秋」

    千秋 縮小


    でぇー。なかなかブログの更新が出来ずごめんなさい。野菜の仕込みと花きりとでバタバタしてましたが野菜はぼちぼち面倒な山を越えました。というか、越えたことにしておこう。うんうん。

    で、今季の芍薬直売についてなんですが・・・。

    うー。申し訳ない。品薄になってます。

    芍薬は前年度に蓄えた養分で芽を吹かせるのですが、一昨年の猛暑の影響もあって株が痩せてしまい、例年に比べて花芽の数がだいぶ減ってしまったよう。加えて今春は雨が少なかったので丈が伸びてくれず・・・。ここでガンガン切ってしまうと、さらに株が痩せてしまうため、やむなく採花本数を減らしています。そこへ5月らしからぬ肌寒い日が続いたりでなかなか想ったように咲き揃わず・・・。おぉ。3重苦だ。


    父 「別に花は俺たちのために咲いてる訳じゃない。」


    ・・・私もさっさと年をとって、我が事を人事のように申せる達観の境地に立ってみたいものですよ。あー。胃が痛い。


    スカーレット 駆けだし 


    明日でlast run の 「スカーレット」、そして明日から駆けだす「エッジドサーモン」

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    クルジェット・ゼファ 


    黄色地に尾っぽが緑、かわいらしい2色のズッキーニの「ゼファ」。

    まだまだ体つくりの段階にあたる養成期のため、『摘果』という作業を行います。実った果実を小さなうちに摘むのです。小さな体に子を宿すのは負担が大きいので。小学生で妊娠しちゃうようなもの。せっかく実が付いたのにもったいない!ってやってると、後々の生育にかなーり悪影響を及ぼします。特にウリ科。


    そんな訳で小指サイズで収穫。花ズッキーニだね。バジルとモッツァレラを詰めよう。んな時間はないか・・・。
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